事業内容

【参加者募集】J-CEFスタディ・スタヂオonline vol.25

2023.10.17

●テーマ
 「対話における「聞く/聴く」場をどのようにつくるか:認識的不正義の視点から」

●趣旨
 今回のスタディ・スタヂオでは「聞く/聴く」ことを中心テーマにおきます。これまでも、シティズンシップ教育研究・実践では「対話」に注目されたものが多くありました。多様な人々の話を聞く中で、自分の「当たり前」を振り返ったり,新しい社会のありかたを考えていく,あるいは人々との共同体意識を醸成するー目的は多様ですが、これから先の社会を構成していく上で重要だとされてきたためです。
 こうした対話の中では、しばしば「話す」ことが重視され、上手に話す人やパワフルな話し方をする人が強い力を持つ傾向があります。しかし、「対話」を民主主義の観点から見直した際は,「聞く/聴く」こともーいやもしかすると「聞く/聴く」ことの方が、「話す」ことよりも重要だともいえるのではないしょうか。とりわけ近年、異なる背景を持つ多様な人々との対話が重視されます。その中で、私たちは話をどのようにしたら適切に聞くことができるのでしょうか。
 本スタヂオでは,対話に関する研究・実践を多く行ってきた西山渓さんをお招きして,お話を伺います。内容は2部に分かれ,1部(理論編)では民主的な対話において「聞く/聴く」とは何を意味するのか、それはどうすれば「評価」することができるのか、そして「聴く」ことに関わる不正義である「認識的不正義」とはどのようなものかを議論します。2部(実践編)では、「聞く/聴く」ことを評価することを目指したListening Quality Index (LQI)やその批判的検討、そして実際に西山さんが行った実践例やファシリテーションなどを説明いただく予定です。
  対話のファシリテーション経験がある方はもちろんですが、学校や社会において多様な人との対話の中で戸惑いやむずかしさを感じる方などもぜひご参加ください。参加者のみなさんでこのテーマについて考える時間にしたいと思います。

●日時:2024年1月27日(土)14:00-16:00
●開催形態:Zoom(参加申込された方には後日、接続URLなどの情報をメールでご連絡します)

●当日の進行
 1. オープニング
 2.講演(1)「対話活動で「聞く/聴く」に伴う不正義とは:認識的不正義」
       (講演の後、質問タイム)
 3.講演(2)「対話活動の評価・ファシリテーションの実際
       :Listening Quality Index (LQI)の批判的検討を通して」
 4.参加者とのディスカッション
 5.クロージング

●話題提供者
 西山渓さん(開智国際大学 専任講師・関西大学法学研究所 嘱託研究員)
 1990年生まれ。オーストラリア国立大学クロフォード・スクール・オブ・パブリック・ポリシー上席研究員、同志社大学政策学部助教などを経て、現在開智国際大学教育学部専任講師および関西大学法学研究所嘱託研究員。専門は熟議民主主義の理論とそれを応用した子どもの学校内外での政治経験や民主主義学習の理論的・経験的研究。近年では気候アクティヴィストへのエスノグラフィを行い、公共圏における若者の政治経験の研究を続けている。主な論文にDemocratic education in the fourth generation of deliberative democracy (Theory and Research in Education, 2021年)、Delibeative facilitation in the classroom (Democracy & Education, 2023年)など。
 なお、本論文のベースとなる論文として、以下のものがある。西山渓(2023)「探究の共同体における認識的不正義とファシリテーション」田中伸・豊田光世編『対話的教育論の探究 子どもの哲学が描く民主的な社会』(東京大学出版会)

●参加費:無料
●申込フォーム
 https://forms.gle/gKo6d5U8uXHtate56

●主催:日本シティズンシップ教育フォーラム
●共催:基盤研究(C)「学校市民性教育メカニズムに関する実証的研究ー高校生の社会参加の実態に注目して」(川口広美研究代表,22K02572)

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